「粘りとシャープさ」という相反する性能を融合させ曲げればタメが利くが、立て竿系釣技においてもシャンとして操作性に優れる新たなるH2.75万能アクション。エキサイトトップⅡでさらなる高感度を追求し、替穂先タフテック∞ソリッドで小型鮎、より繊細な状況に対応。
シマノ鮎ロッドの中軸を担うオールマイティロッドとして数多くの鮎師に支持されるバーサトル。
対応力に優れ、安心感あふれる粘り強さが魅力。
今回「粘る竿はシャープさに欠ける」という常識を打ち破り、新たなる変貌を遂げた。

「竿は柔らかいほうがよく釣れる」時代に先駆けたオールマイティロッド
2006年初代バーサトル誕生のきっかけにはラシュランというロッドが関わっている。独特の胴調子によるオトリが川底に張り付くような引き感覚、超細身肉厚設計で風を斬る名刀。この長所を踏まえつつ、さらにオールラウンドにしたらどうなるか?というのは、その頃、小沢聡が口にしたひとつの言葉があった。「竿は柔らかいほうがよく釣れる」。自身が瀬を中心に展開する引き釣りでは、圧倒的に柔軟性に富んだ胴調子竿のほうが好釣果を叩き出すというのである。
この2点に着目した開発スタッフは従来にないオールマイティロッドの構想をスタートさせた。軽すぎず、重すぎず、華奢すぎず、全身がスムースに曲がってオールラウンドに使える一竿。当時は軽量特化型モデルが多く、ある程度重量がある万能的な竿は存在感が薄まっていたが、この時確立したバーサトルの基本コンセプトは変わることなく歴代モデルで継承。「全知全能オールマイティアクション」「迷ったらバーサトル」など、現在ではシマノ鮎ロッドにおける中軸アクションを担うオールマイティロッドとして数多くの鮎師に支持されている。
オトリ管理をランクアップさせる操作感。タメれば自然に25㎝超が浮上する
2022年生まれ変わった最新モデルの特徴を一言で語るならば「歴代最高のシャープさ」を身にまとった、かつてないバーサトル。胴調子寄りのロッドゆえにシャープさをどの次元まで高め長所の粘りと融合させるかがカギとなるが、今回シャープさを達成するためさらに高レベル・高精度な設計を採用。ワンピースロッドのように曲がり込む「パラボラチューン」設計をさらに高度に洗練させることで贅肉を排除し、粘りの中に新たなシャープさを表現。従来設計と比較しても胴がブレずにピタリと止まる。今回チューニングを担当した小沢聡、島啓悟をはじめ小澤剛もこの仕上がりには文句なしの太鼓判を押している。
この恩恵によりオトリの送り込み、なじませ操作、引き上げ、止めや誘いなど、数々の操作がより軽快に。引き抜きに関しても粘るロッドは大きく曲がり込む感覚があるが、新バーサトルは先調子ほどではないものの竿を立てればスパッと野鮎が水面を割って飛んでくる。
そして特筆すべきは、これほどのシャープさを身にまといながら粘りとタメ性能は不変ということ。H2.75の上限サイズともいえる25㎝超もタメているだけで自然と浮かせられ、開発陣による和歌山県紀ノ川の実釣テストでは流れの中で掛けた31.2㎝、321gの尺鮎をタメながら寄せ、セーフティにタモへと導いている。
胴調子系オールマイティアクションでありながら歴代最高のシャープ感。鋭さが増したにもかかわらずタメ性能は不変。あらゆるフィールド、あらゆる現代釣技にハイレスポンスで応える、生まれ変わったシマノ鮎ロッドのセンターポジションをその手に。